- - - I want to melt into the sky





空に沈んだら、どんな気分だろうか。


沈むんだったら、とことん深くが好い。


体の内側まで空の色に染まったら、尚好い。


指先とか、爪先とか、心臓まで空色にして。


最後には体全部が空に溶けてしまったら、僕は空の一部になれるのか。


そうして、深く沈んでいけたら、どんなに幸福なのだろう。


しかし、どうしたって空は、僕をその色に染めてくれやしないのだ。


右手を上げて、空に透かした。


青と白の中に異物感。


空はどうしても、不純物を溶かしたくないらしい。


僕はいつだって僕で、それ以外の何者でもない。


空に溶けたいと願っても、叶うわけもなく、地上で生きている。


絶対不可侵の領域。


僕が入れるわけも無い。


同じ温度になったら溶けることもできるのかな。


でも、残念だけど、僕は空の体温を知らない。


だからツレナイ空を見上げて、僕は手を伸ばす。


指先だけでも空の色に染まったらと、小さな望みをかけながら。


いつだって空に溶けることを願ってしまうんだ。








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判ってるけど、望むこと。