日常の中で吐き出したくなる
軽薄であり重要なこと
もし今この瞬間に、君に向かって「愛している」なんて言葉を吐いたら、君はもう反射神経に染み付いた速度で、言われた言葉を認識しないまま、オレをぶつかもしれない。
笑っていた顔が驚いた後、すぐに顰め面になることは想像に容易い。
こんなタイミングでふざけるなと、攻撃を喰らう可能性だって、かなり高いし。
そうなったらオレは、キャーキャー笑いながら、その攻撃から逃げ回るんだろう。
いつも――のことになるんだ。こんなことも。だって日常茶飯事だもん。
青と白の二色の空の下で、いつもの通りに、一日は過ぎる。そんな中の、あたりまえのこと。
一日の中の、たった一瞬だ。
でも、オレはふと思いついた言葉をやっぱり飲み込んで、話を聞きながら、笑った。
多分、それがいいんだ。
無性に言いたくなったその安っぽいたった一言に、本音が滲むのが怖いから。
|